狐と嫁と溺愛と
恥ずかしい…。



大河さんに優しく抱きしめられると、いつもと違う匂いがする。



大人の匂い…。



大河さんが喫煙者だなんて、初めて知ったよ…。



「気分がいいな。酒でも飲むか」

「あんなマズイもの、よく飲めるね…」

「どこかで飲んだのか?」

「さっき、舐めた程度にね。喉が焼けるかと思った」

「こっちの酒は強いものばかりだ。ナナにはムリだな」



お子様扱いされた気分‼︎



本当のことだけど…。



「あっちに帰ったら仕事の山だろうね〜」



意地悪言ってやるんだから‼︎



大河さんなんて仕事しすぎてバカになればいいんだ‼︎



「俺のコピーが働いてるから大丈夫だろ」

「へっ⁉︎あたしのドッペルゲンガー、大河さんのも出したの⁉︎」

「そりゃあ、社長と副社長が不在はマズイだろ?おかげで、ナナから取り込んだ妖力、ほとんど使ったけど」

「大変なんだね、あの…ドッペル」

「せめて分身と言ってほしい…」



変わらないよ。



< 239 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop