狐と嫁と溺愛と
ドッペルは持ってあと2日らしい。



こっちに来てから1週間くらい経つからなぁ。



ちゃんと生活できてるかな?



「いつ帰るの?」

「明日、ナナを両親に会わせてからだな。こちらの時間とあちらの時間は違うから、少しゆっくりできる」

「どれくらい違うの?」

「こちらでの1日が、あちらの半日と言ったところ」

「えっ⁉︎じゃあ、まだ3日くらいしか経ってないってこと?」

「そうなるな。こちらにいると、人は老けるのが早いぞ?」



そんなの、絶対イヤ‼︎



それでなくとも、悩んでるのに…。



見た目だけでいいから、若くいたいのに…。



「さて、飲むか。リンはいるか?」



誰もいないと思っていた。



スーッと開いた襖から顔を出したのは、初めて見る顔。



どっかで見たことがあるような…。



誰だっけ…?



「お呼びですか?」

「酒を」

「かしこまりました。奥方様はいかがいたしましょう」

「う〜ん…。なんか飲むか?」



首を横に振った。



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