狐と嫁と溺愛と
フラフラしながら歩き、ひとつの部屋で横になる。



「大丈夫ですか…?」

「あぁ、少し休んだら挨拶に行くと伝えてくれ」

「かしこまりました」



誰と話してるのかなんてどうだっていい。



目をつぶり、ひたすらよくなることを祈った。



大河さんが頭を撫でてくれて、しばらくすると、やっとマシになってきて。



「もう平気」

「ん、ごめん」

「おじいちゃん先生に酔い止めたくさん作ってもらおう…」

「ははっ、そうだな」



ぽんぽんっと頭に優しい手。



大河って、絶対頭撫でるの好きだ…。



「よし、会いに行くか」

「あっ、うん」



立ち上がった大河さんについていき、豪華な襖の前。



その横に、警護してるのか、狐さんがひとり。



「お待ちしておりました」

「両方いるのか?」

「えぇ、どうぞ、中へ」



ドキドキが止まらない。



スーッと開いた襖の奥に見えたのは、若いふたりの妖…。



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