狐と嫁と溺愛と
返答に困ってたら、大河さんに腕を引かれて座らされた。



「久しぶり、ジジイ」

「ジジイって呼ぶな」

「あんたのせいで、毎日アホみたいに仕事に明け暮れてる」

「若いんだからいいだろ。業績どんな感じ?」



仕事の話をし始めたふたり。



今の会社は大河さんのお父さん…パパが作った会社らしく、当主の座と一緒に、大河さんに全てを任せたらしい。



人間界で生きている妖のための会社なんだって。



だから、大河さんは今の会社を守り続け、妖たちの生活を保障しているって。



それで社長か…。



当主様って、絶対大変だ…。



「ところで、孫はまだ?」

「はぁ⁉︎」

「早く孫の顔が見たいのよ〜。タマキなんかフラフラしちゃって、落ち着くつもりもなさそうじゃない」

「あぁ、そのことだけど、今回のことでジローがやっと覚悟決めたらしい。タマキがよろしく言っとけって」

「そうなのっ⁉︎めでたいわ〜‼︎」

「近々今回の謝罪と挨拶に来るって、ジローが」



今回のことは謝ってないわけね…。



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