狐と嫁と溺愛と
そんなことを考えながらコーヒーを飲み干した時、ドアが開いて会いたかった人。



「そんなのこっちで解決しなくたって、自分たちの判断でどうにかできるだろ」



電話片手に眉間にシワ。



後ろからやってきたお父さんは、あたしと春乃を見つけると、笑顔で駆け寄ってきた。



「カワイイな、ふたりとも‼︎久しぶり、春乃ちゃん」



小さな声でそう言うお父さんに、春乃はメロメロ…。



目がハートになってるよ…。



相変わらずピリピリした雰囲気で電話をしてる大河さんの髪は、少しだけ短くなって、パーマがかかっていた。



「ちょっと、大河さん、マジで美人なんだけどっ‼︎美人って言葉を男の人に使っていいのかわかんないけど、すっごい美人…」

「あたしも…そう思う…」

「あんたの周りにはイケメンしか集まらないのか‼︎」

「あははっ…」



確かにね…。



最近じゃこれが当たり前みたいな感じになっちゃってるよ…。



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