狐と嫁と溺愛と
どうやら仕事でトラブルがあったようで。



大河さんは電話をしたまま。



「ごめんな、ちょっと時間かかるかも」

「ジローさん、マジで素敵すぎるね。スーツ姿とか初めて見たけど、本気で結婚したい」

「またまたぁ〜。春乃ちゃんは昔から俺が好きだね〜」

「好き‼︎ナナのお父さんじゃなかったら押し倒してるよ」

「女の子がそんなこと言うもんじゃないよ。でも待てよ?女子高生に押し倒されるおっさんってのもいいな…」



とりあえずお父さんの脇腹にボディブローをぶちかましといた。



大河さんの元へ行った千尋さんが、大河さんの着替えを手伝っていて、片手がふさがってる大河さんのシャツのボタンまで閉めている。



しばらく春乃とお父さんのバカげた会話を聞いていたら、やっと電話を終えた大河さんが、あたしの元へやって来た。



「君が噂の春乃ちゃんね。初めまして、華山大河です」

「は、初めましてっ‼︎いつもナナがお世話になってます‼︎」

「はははっ、お世話してます」



お世話されるくらい一緒にいないもん‼︎



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