狐と嫁と溺愛と
ただ、遠目で大河さんを見てればいいんだと思ってたのに‼︎



挨拶なんてできるわけないっ‼︎



「凄いね、ナナ。社長夫人じゃん‼︎」

「ど、どうしたらいいかわかんないっ‼︎」



大河さんは、俺が紹介するから、黙って隣で頭下げとけばいいとだけ教えてくれた。



あっ、大半は妖なんだっけ…。



だったらあたしみたいなどこにでもいそうな小娘が奥さんの座にいても、疑問には思われないかな?



「社長、そろそろ時間です」

「よし、行きますか。ジロー、スピーチ原稿は?」

「あっ、車の中…」

「はぁ⁉︎」

「取ってくる時間ねぇや。社長なら大丈夫、大体覚えてんでしょう?」

「お前ね、俺をなんだと思ってんの?他に何件スピーチ原稿書いたと思ってんの?他のとごっちゃになって、バカなこと言ったらお前のせいだよ?マジ、クビにしたろか」

「はははっ、社長は冗談がうまいな〜」



お父さん、やっぱりポンコツ…。



こんなのが副社長で大丈夫なんだろうか…。



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