狐と嫁と溺愛と
そのまま眠ってしまい、次の日は大河さんの優しい声で目が覚めた。



「家に帰るぞ、ナナ」

「ん…?」

「飯食って、家に帰って、俺の部屋でダラダラする」



寝起きで何言われてるのかわかんない…。



ただ、大河さんの頭を撫でる手が気持ちいい。



「寝て、少しはスッキリしたか?」

「大河さん…好き…」

「ははっ‼︎なに言ってんだよ、寝ぼけてんのか?」



なんでもいい。



抱きつきたい、触れたい、大好き…。



本能だけが支配する微睡み。



意識がはっきりしたのは、大河さんの手が服の中に入ってきた時。



「なっ⁉︎」

「ん?」

「ちょっ、なにしてんの⁉︎」

「お前があまりにも可愛すぎて触りてぇの」

「ご、ごめんなさいっ‼︎」

「チッ…」



ドッキドキで目覚めた朝、大河さんは春乃のことを任せろと言った。



あたし抜きで春乃と話したいと。



それは大河さんの優しさであり、あたしが大事にされてるって意味で。



どんなことがあっても、あたしは大河さんに着いて行く。



そう思った。



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