狐と嫁と溺愛と
そろそろ応えないとダメだよね?



そんなのわかってるんだけど…。



やっぱり、恥ずかしい。



「平気か?」


唇を離した大河さんにそう言われ、頷きながら胸に顔を埋めた。



相変わらず立ってられなくなるくらい気持ちいいキス…。



この先を体験したら、あたしはどうなってしまうんだろう…。



「マジで行かねぇと」

「ごめんなさい…」

「そのうち、定時で帰ってこれるようになる。浮気すんなよ?」

「大河さんもね…?」



名残惜しいけど、お別れの時間。



玄関まで見送ると、軽いキスをした大河さんは、車で颯爽と仕事へ戻ってしまった。



「愛されてるわ〜」

「夢さんっ⁉︎」

「大河様があんな甘いお方だとは知らなかった」

「甘い…?」

「ナナ様には優しさしか感じない。愛されてる証拠ね」

「そ、そうですかね…?」

「羨ましい。私も彼氏欲しい」

「夢さん美人じゃないですか‼︎」

「モテるのよ?でもね、愛した男をストーキングしたくなっちゃうたちでね…」



うん、危険人物発見。



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