狐と嫁と溺愛と
それはうとうとしていたあたしのもとへ来た返事。



今から…帰る?



起きてたら、大河さんに会える⁉︎



『起きて待ってる』



目が一瞬で覚めた。



自分の部屋の洗面台で、髪を整えて。



本当は着替えたいけど、いかにも気合を入れましたってのは恥ずかしいし…。



悩んだ末に、パジャマ姿で一階へ降りた。



「ナナ様…?いかがしました?」

「あっ、アヤメさん。今から大河さんが帰ってくるって言うから…その…」

「ふふっ、可愛らしい。お体を冷やさないようにしてください」

「アヤメさんは…なにしてるの?」

「今日の仕事が終わったので、彼に会いに行くのですよ」

「彼氏いるんですねっ‼︎」

「えぇ、夜行性なもので」



彼の正体が気になったけど、なにも言わずにアヤメさんを見送った。



夜行性の彼氏…。



ホスト…?



いやいや、妖だろうな…。



キッチンに行き、冷蔵庫から麦茶を出して飲んだ。



外が暑いのか、寒いのか、大河さんの結界のせいでわからない。



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