狐と嫁と溺愛と
好き、好き、好き。



「なに可愛いことしちゃってんだよ」

「会いたかったの…」

「ん、わかった。ひとまず、家ん中入ってからにしよう」



んなぁ⁉︎



ヒョイっと持ち上げられた体は、片手で軽々と担がれてしまう。



この抱っこの仕方はどうなの⁉︎



俵みたいに担がれてるんですけど‼︎



ドアを開け、中へ入って。



そのまま階段を上る大河さん。



「アヤメがいねぇな。男でもできたか?」

「わかるの⁉︎」

「気配で、誰がいるのかくらいわかる。志鬼は…青いドアだな」

「うん、そうだよ」

「よかった。俺の部屋から離れてる」

「なんでよかったの…?」

「お前のカワイイ声を他のヤツに聞かせてたまるかっての」



ん?



どんな意味?



大河さんの部屋にやって来て、そのままベッドに降ろされて。



スーツ姿で覆いかぶさってきた大河さんに、さっきの言葉の意味を理解した。



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