狐と嫁と溺愛と
高島さんは部屋の外にいて、あまり物怖じしない志鬼くんと、新米妖の春乃は大河さんを目の前にしても平気らしい。



「分身出すから、勘弁してくれよ」

「はぁ…。わかりました。出してください」



またあのドッペル‼︎



今度は大河さんの分身で、スエット姿になって現れた。



「すごっ…」

「春乃ちゃんは初めて見るのか」

「どうやって作り出すんですか⁉︎」

「人型の紙に名前と血を一滴、妖力と呪文でできあがり。まぁ、春乃ちゃんは妖力少ないからムリ」

「そうなのか…」



志鬼くんもできないらしく、やっぱり大河さんはすごいんだと思う。



あれから春乃はお母さんと話し合ったそうで。



春乃の父親が妖だったことが判明。



それも、結構な力の持ち主だったらしい。



春乃も実はそんなに弱くはないらしいけど、本人は自覚なし。



覚醒前のあたしといても平気だったのは、その自覚がなかったことが大きいだろうと、大河さんは言っていた。



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