狐と嫁と溺愛と
龍と狐は仲が悪いと聞いていた。



タマキさんはそんな次元を超えて龍之介くんに愛された人。



「俺とタマキさんが結婚しちゃえば、龍と狐の繋がりもできて、平和になったのにね」

「うるせぇよ。お前ら腹黒いから、なに考えてんのかわかったもんじゃねぇ」

「ナナちゃん、鬼なんかと仲良くするとバカがうつるよ?じゃ、俺は帰るね」



向きを変えて行ってしまった龍之介くんに、志鬼くんが文句を言っていたけど。



あたしの頭はパンク寸前。



春乃も妖で、人間だと思ってた龍之介くんが龍で…。



友達は鬼だし、旦那は狐だし…‼︎



なんなの、この世界っ‼︎



「ナナ?大丈夫か?」

「ちょっと混乱しただけ…」

「あいつ、まじでムカつく。龍にはろくな奴がいねぇ」

「そうなの…?」

「俺たち鬼と、大河様たち狐は昔から繋がりは深いんだ。他の強い妖っつったら、龍と天狗あたりなんだけど、龍とは分かり合えねぇ」



あたしのわからない世界…。



< 288 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop