狐と嫁と溺愛と
志鬼くんが教えてくれた内容は、妖の関係図。



住みにくい現代社会で、大河さんがいろいろな妖の面倒を見てるようなものだと。



力の弱い妖なんかは、大河さんがやっている会社で生活の保障をされている。



鬼は鬼で孤立しており、自分たちで生計を立てている。



天狗というのは、妖の世界にしかいないみたいで、あっちでの信頼は絶大。



そして龍は、自分たちが一番だという考え。



「あいつらは自分たちが神とでもいいたいんだろ。大河様の仕事を横取りしたり、人間を下に見てたり。ヤバイ妖は、大概龍が後ろにいる」

「そうなんだ…」

「大河様の妹さんにフラれたんだろ?いい気味だ」

「そんなこと言っちゃダメだよ。龍之介くんだって、純粋にタマキさんが好きだったのかもしれないし…」

「俺は嫌いだから、龍が。あいつが時期当主だとか、最悪だろ」

「志鬼くんも時期当主でしょ?」

「それを言わないで…。プレッシャーだから…」

「あっ、ごめん…」



妖の世界は複雑だ。



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