狐と嫁と溺愛と
恥ずかしいだけだもん…。



「避けて…ないです…」

「態度が変」



隣に座った大河さんは、ムスッとしてる。



今はほっといて欲しかったのに…。



「昨日、しなきゃよかったか?」



不意にそう言われ、胸がチクっと痛んだ。



勘違いさせて、悲しませてる?



「違うよ、昨日の今日で…顔見れない…。恥ずかしくて…死んじゃう…」



両手で顔を隠した。



絶対真っ赤だもん…。



すっと降ろされた手に、顔を上げてしまった。



あっ、優しい顔…。



「嫌われたかと思った。結構スゲーことしたし。本当はイヤだったのかとか、マジで考えただろ」

「イヤじゃ…なかったよ…?」

「よかった…」

「た、大河さんは…変だとか、貧乳だとかっ‼︎おも、思わなかった…?」

「そんなの考えるヒマないくらい気持ちよかったけど?本当に喰ってんだなって、実感した。途中から意識飛びそうになったし。もういらねぇってくらい、妖力が流れ込んできて」



だから余裕のない顔をしていたのか。



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