狐と嫁と溺愛と
不安との戦い
17
大河さんがおかしくなってからしばらく、いつもの日常に戻ったけど…。
「大河とやり合おうなんて、バカとしか言えねぇだろ…。俺でさえ勝ったことねぇのに」
大河さんが志鬼くんのお父さんに連絡して、急遽やってきた。
久しぶりに見る鬼さんは、大河さんを責めるわけでもなく、笑ってるくらい。
志鬼くんのケガは徐々に治ってはいるけど、完治するまでにはまだ時間がかかる。
脇腹に穴空いてるなんて、普通の人間なら死んでるよ…。
「悪かったな、遊鬼。大事な息子に…」
「平気平気、俺たち、体だけは頑丈だから」
「本当にすまない」
何度も頭を下げた大河さんは、いつもより暗い。
大事な人たちを殺そうとしたなんて、すごくショックなんだろうな…。
「俺らのケンカなんて、こんなもんじゃなかっただろ〜。お前の腕、何本切り落としたか」
「それとは違うだろ。俺が一方的にやったんだ…」
「気にすんなって。で、志鬼は大河んとこで勉強してぇって言ってんだけど」
「何も教えることはない」
そうだよね、いつも仕事三昧だもん…。
大河さんがおかしくなってからしばらく、いつもの日常に戻ったけど…。
「大河とやり合おうなんて、バカとしか言えねぇだろ…。俺でさえ勝ったことねぇのに」
大河さんが志鬼くんのお父さんに連絡して、急遽やってきた。
久しぶりに見る鬼さんは、大河さんを責めるわけでもなく、笑ってるくらい。
志鬼くんのケガは徐々に治ってはいるけど、完治するまでにはまだ時間がかかる。
脇腹に穴空いてるなんて、普通の人間なら死んでるよ…。
「悪かったな、遊鬼。大事な息子に…」
「平気平気、俺たち、体だけは頑丈だから」
「本当にすまない」
何度も頭を下げた大河さんは、いつもより暗い。
大事な人たちを殺そうとしたなんて、すごくショックなんだろうな…。
「俺らのケンカなんて、こんなもんじゃなかっただろ〜。お前の腕、何本切り落としたか」
「それとは違うだろ。俺が一方的にやったんだ…」
「気にすんなって。で、志鬼は大河んとこで勉強してぇって言ってんだけど」
「何も教えることはない」
そうだよね、いつも仕事三昧だもん…。