狐と嫁と溺愛と
だけど、本当に謎だ。



こんなにイケメンなのに、どうしてどこにでもいそうな平凡顔でなんの取り柄もない、ましてや貧乏な女子高生を嫁にしたのか。



どんなメリットがあって、あたしなんかを選んだのか。



この金銭的余裕と、見目麗しい容姿なら、黙っててもいい女が寄ってくるだろうに。



「華山さんは…どうしてあたしを…」

「ナナちゃんも華山だよね?それ、やめようか」

「へっ⁉︎」

「大河だよ、俺の名前」

「大河…さん…?」

「うん、満足」



答えを聞くことはできなかった。



その後に華山さん改め、大河さんがあたしを質問攻めにしてきたから。



好きな食べ物はなにかとか、映画は見るのかとか。



「ファンタジーは好き?」

「ファンタジーは好きです‼︎うち、貧乏だったので、現実離れした夢がある話はとても好きでした」

「それはよかった」

「た、大河さんも好きなんですか?」

「好きだよ。今度映画でも見に行こうか」



こんな完璧な人が結婚相手でいいんでしょうか…。



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