狐と嫁と溺愛と
それは本心?



あたしのためにムリしてない?



「鍛えるって言っても、時間がねぇな…」

「時間なら俺が作りますよ、当主様」

「ジロー‼︎」

「久しぶりですね、当主様」



本当に久しぶりに会ったお父さん。



どうやら、タマキさんとの結婚のためとか、この前の一件の後始末で妖の世界にいたらしい。



全てが終わったから、戻ってきたんだって。



「おっ、遊鬼じゃねぇの。何年ぶりだ?」

「相変わらずだな、ジロー。変わってねぇ〜」

「俺もこの度所帯を持つことになったんで〜」

「お前が嫁とか、大丈夫かよ。嫁さん泣かされるだけじゃねぇの」

「お前みたいに尻に敷かれっぱなしよりマシ」



鬼さんとも顔見知りみたいで、お父さんの登場で空気が穏やかになった。



いろいろ大変だったんだからね、お父さん。



肝心な時にいないんだから‼︎



「で、時間が欲しいんですよね?タマキの一件で、かなり借りがあるし。会社のことなら俺が全部やるんで、任せてくださいよ」



ポンコツのくせに頼もしいな…。



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