狐と嫁と溺愛と
お父さんが会社のことを全部やってくれるから、大河さんは大河さんのやりたいようにやっていいって。



「この遊鬼そっくりなガキも、とりあえず俺が見てようか」

「えぇぇぇぇ…。俺は大河様がいいんだ‼︎」

「バカか。当主様に弟子入りしたいなら、まずは自分の力くらいコントロールできるようになってからだ」

「ぶぅ〜…」



志鬼くんはお父さんに任せ、大河さんはひとまず妖の世界に帰ることになった。



もちろん、あたしも一緒に。



で、まずは志鬼くんのケガを治すこと。



「部屋行くぞ、ナナ」

「なんで⁉︎」

「父親の前でやってもいいならいいけど」



な、なにを⁉︎



よくわからないけど絶対ヤダ‼︎



首を横に振って大河さんと一緒に自分の部屋へ戻った。



ベッドに座り、とりあえず無言。



「ま、まさかっ‼︎」

「違うっつーの。キスするだけ。なに?ヤりたかった?」

「そ、そんなこと言ってないっ‼︎」

「ははっ、カワイイやつ」



キスしても…平気…?



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