狐と嫁と溺愛と
あたしにメリットしかないよ?



あなたはお金まで払って、損しかしてないのに。



そんなあたしに優しくするなんて、何か裏があるんじゃないかと思ってしまう。



そして、着いたのは、超有名なジュエリーショップ。



「好きなの選んだらいいよ。ナナちゃんの好み、まだよくわからないからね」

「お、お揃いで着けるんですよね…?」

「うん、そうだね」

「だったら大河さんに支障がないものを選んだほうが…いいんじゃないかと…」

「そう?なら、できるだけシンプルなのでお願いね。値段は気にしなくていいから」



あたしが選ばなきゃダメらしい。



だけど、値段がびっくり価格で、選べと言われても…庶民の感覚からすると何も選べない‼︎



ただただ、指輪が並ぶケースの前で頭を悩ませていた。



しばらくすると、見かねた大河さんが後ろにやってきて。



「これなんかいいんじゃない?シンプルだし」

「あたし…選べません…」

「ははっ、ならこれで」



高すぎるよ、ここのお店‼︎



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