狐と嫁と溺愛と
ゆっくりしてろと言われ、静かな部屋で横になっていた。



さすがに眠れなくて、お水をもらいに台所へ。



「奥方様⁉︎どうなさいました⁉︎」

「お水を頂きたくて…」

「申し訳ございませんっ‼︎お世話係りの双子はどこへ行ったのやら…」



そういえばいないな…。



いつも部屋の前にいるのに。



水を飲んでからまた寝室に戻ると、双子狐の片割れがいた。



「奥方様、どちらへ…」

「お水を飲みに…」

「すみませっ‼︎私がそばにいなかったから…」

「平気ですよ、そのくらい。で、それはなんですか…?」

「髪飾りです。奥方様に似合うかと思って…。気に入らなければ捨てていただいても‼︎」

「キレイ…。あたしに?」

「あのっ、前にこちらにいらした時から…つ、作ってまして…」

「えっ⁉︎あなたが作ったの⁉︎」

「はい‼︎好きなんです、こういうの…」

「つけてもいい?」

「いいん…ですか⁉︎」



そんなに嬉しいの?



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