狐と嫁と溺愛と
春乃と一緒に夕食を食べて、お風呂にも入った。



「ねぇねぇ、大河さんって激しいんだね…」

「なんで?」

「それってさ、噛み跡だよね…?」

「んぇっ⁉︎」



んなぁ⁉︎



春乃に言われて自分の体を見ると、肩や胸、脇腹や太ももにくっきりと噛みつかれた痕があった。



「痛そう…」

「いやいや、こんなのあったのかと…」

「痛くないの?」

「痛くない…。噛まれた記憶もないんだけど…。むしろ、痛かった記憶がない?」

「テクニシャン…」

「ちょっ、もうやめてっ‼︎」

「あははっ、さすが大河さんだね〜」



痛いなんて思ったこともない。



噛んだっけ?



あたしに与えられるのは痛みではなく、極上の快楽だけで…。



とにかく顔が熱くて縁側に座った。



飲み始めた春乃と月を見ていた。



「月見酒か?」

「大河さん、お帰りなさい」

「ナナは飲んでないだろうな…」



飲んでませんよ…。



酒乱とか言われたくないので…。



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