狐と嫁と溺愛と
お腹を抱えて笑ってる大河さんと、ニコニコの春乃。



びっくりだよ、春乃…。



「まさかリンさん、結婚なんてしてないよね?」

「してない。あいつはタマキ付きの護衛だからな。あいつにこき使われてたらそんなもんできない」

「そっか、よかった」

「リンがドMねぇ。Sだけどな、基本」

「それは大河さんでしょ。ナナの体にあんなに噛み痕つけてさ〜」

「くくっ、あれは本能だ。仕方ない」



本能なの⁉︎



楽しそうにそんな恥ずかしい話しないでよ…。



「でも、あたしがこっちに来たらナナが寂しがるからな〜」

「そ、そんなことっ‼︎あるけど…」

「お母さんがね、あたしにごめんって言ったの。隠してたことと、あたしを混血で産んでしまったこと」

「春乃の…お母さんが…?」

「うん、でもね、悲しくないんだよね。やっと自分を受け入れ始めたの。こっちはこっちで楽しいしさ、逆にラッキーじゃない?人間の楽しさと、妖の楽しさがあって」



そう言って笑った。



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