狐と嫁と溺愛と
こんなに泣き虫じゃ、大河さんの嫁失格だと思うけど、出てしまうものは止められないの。



雫ちゃんやタマキさんがあたしを泣かせてくれるから、余計泣いちゃう。



散々泣いて、泣き疲れて。



寝不足と病み上りがたたり、タマキさんの部屋で泣きながら眠った。



『ここでなら泣いてもいいのよ』



そういいながら頭を撫でらてたことは覚えてる。



目が覚めたら、その手がタマキさんから大河さんへ変わっていた。



「体、しんどいか?」

「ん…?どうして…?」

「タマキが…まだ体調がよくないんじゃないかと…」

「ふふっ、大丈夫。少し疲れちゃったみたい」



大河さんに膝枕され、頭を撫でられてて。



タマキさんの誤魔化してくれた気持ちに感謝した。



「一緒に行きたかったが、諦めた」

「何に?」

「今日は街の祭りだ」

「えっ⁉︎行きたいっ‼︎春乃は⁉︎」

「春乃ちゃんなら、リンとタマキと行った」




お祭り、行きたいよ‼︎



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