狐と嫁と溺愛と
でも、春乃はそれもいいと笑った。



「あっちの世界の猫ってさ、こっちで言うとキャバ嬢とかホストとか、そんなのばっかりだったんだよね」

「そうなの?」

「リンさんも猫なんて相手にしてくれないだろうし〜…」



恋にも人生にも迷ってる。



あたしにはなにも言えない…。



リンさんは屋敷を任されてるからこっちには来ないと思うし…。



会えもしないなんて、辛いよね…。



「ねぇ、春乃」

「なに?金次」

「俺は春乃好きだよ。だから落ち込むなよ」



なにもわからずにそう言った金次くん。



みんなぽか〜ん…。



す、好きって…。



そんなストレートに…。



「美人だし、いい匂いするし」

「ちょっ、金次‼︎」

「ん?」

「それは…恋愛的な意味?」

「恋愛?よくわかんないけど。春乃に抱っこされたい」



ズッキュンと春乃のハートをぶち抜いてしまった天然少年金次くん。


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