狐と嫁と溺愛と
久しぶりの学校で、さすがに眠くて。



うとうとしてたら、大河さんが戻ってきた。



「寝る…?」

「寝るよ」

「ご飯は…?」

「メシなんて腹減ったら食えばいい。今日は減らないからいらない」



聞けばいつもそんな感じらしくて。



体壊しちゃうんじゃないかと心配になるけど、この人は妖。



しかも相当な強者。



妖力が切れなきゃ生きていけるらしいです。



うらやましいな…。



「キスしたい…」

「ナナからそんなこと言うの珍し…」

「癒してあげたいの。だから…喰べて?」

「…………遠慮なく」



キスして力を喰べたら、大河さんは元気になる。



食事と変わらないんだって。



「おやすみ」

「おやすみなさい…」



抱きしめられて眠る幸せ。



この平穏がずっと続けばいい。



ゆっくり寝てね、大河さん。



大好きな人の匂いを胸いっぱいに吸い込み、あたしも眠りについた。


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