狐と嫁と溺愛と
痛いとこがいっぱいだ…。



目を開けると、見覚えのある天井。



ここは人間の世界、大河さんの部屋…。



隣で眠る大河さんと、なぜかあたしの腕に点滴。



どうやって帰ったかもわからない…。



今が何時で、日付もわからないの。



「大河…さん…」

「ん?ナナっ⁉︎起きたか…」

「コレ、いらない…。点滴イヤ…」

「ダメだよ。5日、飲まず食わずだったんだから。あっ、お水飲もうか」



5日もあんな状態を繰り返してたの?



しんどいよ、体。



起きあがれる気がしない…。



お水が入ってるペットボトルとストローを持ってきてくれた大河さんに、体を起こしてもらって…。



力が入らないなぁ…。



「飲める?」

「ん」



飲み出したら止まらなくて、少しずつ、いっぱい飲んだ。



「お腹痛い…」

「ん、骨に異常はないって。顔と体に打撲、手首と足首も…跡が残ってる…」



優しく握られた手と、悲しそうな大河さん。


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