狐と嫁と溺愛と
酔っ払い
23



大河さんが離れに戻ったら、運ばれてきたお昼ご飯。



卵が入ってる雑炊はやっぱり少量で。



「金次くんは忙しいのかな?」

「そうですね。四役が集まってますので、厨房は戦争ですよ」

「そっか…」

「食べたらお薬、飲みましょうね」



病人だな、あたし…。



食べたら休んで、水分とって。



少し眠り、ヒマなので雫ちゃんが髪留めを作るとこを見せてもらった。



「夕食の時間ですね」

「大河さんは戻ってこないの?」

「会合が開かれると、しばらくは」

「そっか…」



ご飯を食べたら大分動けることに気づき、お庭に出た。



離れには灯りが見えて、あそこに大河さんがいるんだと、急に寂しくなった。



「あっ…」

「あっ‼︎」

「狐の当主夫人…ですね」

「そうですね…。あなたはアズマ…さんの…」



美人な人。



黒髪が似合ってて、きりっとした顔。



白い肌に真っ赤な唇で、黒い着物は赤い花の柄。


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