狐と嫁と溺愛と
何かあれば簡単に殺されちゃうし、大河さんのお荷物だし。



「許すことは、強くなきゃできませんよ」



サエさんにそう言われた。



そうかな…。



ドロドロしたのがイヤなだけかもよ?



醜い争いは避けたい。



「大河様は内心穏やかじゃないでしょうね…」

「そうかもしれませんね。あたし、あなたの旦那さんとキスしたし」

「あっ、そうですか…」

「ショック受けました?」

「はい…」

「仕返しです。まぁ、あんなのキスのうちに入らないけど。って、入れないし。うん、あれはノーカウント」

「ふふっ、ナナさんはやっぱりお強い」



笑ったサエさんはすごくキレイで、見とれてしまう。



アズマが守ろうとしてるひとつに、サエさんも含まれているんだと思う。



だって、椿さんに嫁を差し出せって言われ否定してたし。



きっと、アズマは仲間思いで、情に熱い男なんだと思う。



こっちでの権力はかなりあるって、志鬼くんも言ってたし。


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