狐と嫁と溺愛と
みんなが仲良くなってくれるのが理想だけど、そんなのはムリなんだと思う。



権力争いや、しょうもないイザコザはきっとこれからも続いていくもの。



「ナナ様、お茶とお酒を用意しました」

「あたしお茶‼︎サエさんは飲めるの?」



頷いたサエさんにはお酒。



あたしはお茶で、小さな乾杯。



「雫ちゃんも飲もうよ」

「いえ、私は…」

「なんで?女子会しよ〜‼︎」



女子会に興味を持ったサエさんが、女子会とは何だと言うので。



「男抜きで喋りたいだけ喋るの。ちなみに旦那の愚痴とか、恋バナとかするの‼︎」

「愚痴なんて言い出したら止まらない…」

「あははっ‼︎聞く聞く‼︎」



サエさんの愚痴は、アズマがワンマンすぎるとか、亭主関白もいい加減にしろとか。



ケンカした時の話や、出会いから結婚まで。



「私、求婚されて3度断ってます」

「えぇぇぇっ⁉︎それでもめげないアズマが凄いんだけど‼︎」

「彼、決めたことは曲げない主義なので。最後には諦めの境地…」



サエさん、いい人。


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