狐と嫁と溺愛と
むしろ、女好きなんじゃないかな?



女、みんなカワイイみたいな?



「金次くん、あの顔が卑怯ですよね…」

「あっ、雫ちゃん。いてくれたんだ…」

「はい、朝からずっとついてますよ」



雫ちゃんの笑顔に安心する。



月ちゃんは滅多にこないけど、ふたりの見分けは着くようになったよ。




「雫ちゃん、好きな人いないの?」

「好きな人というか…。恋というものがよくわからないんです。この屋敷にいると感覚がマヒするというか」

「ははっ、それはわかるかも」

「当主様は群を抜いて素敵ですっ‼︎ジロー様もなかなかの美貌の持ち主ですが、やはり当主様には及びません」



雫ちゃんのイケメン談義が始まり、ここまで打ち解けてくれたのかと思うと嬉しかった。



着物を着付けてもらい、少しだるい体を引き連れてキッチンへ顔を出した。



「ナナ様、待てなかったの?」



そう言って笑う金次くんは、とてもカワイイ。



なんだか部屋にジッとしてるのがイヤで見に来てしまった。


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