狐と嫁と溺愛と
目の前に出された子供サイズのきつねうどん。



「みんな、なんでフルーツ?」

「お昼、過ぎてますから…。もう食べてしまったので…」

「あっ、ごめんなさいっ‼︎あたし、すごく困らせ…ましたね?」

「いえ、いいんです。たまには休憩も必要ですから」



リンさんは笑ってくれたけど、申し訳ない…。



せめてもの思いで完食したきつねうどんは、やっぱり最高においしかった。



そのあとはみんなでお茶を飲んでまったり。



「リン様、当主様がお呼びです。蘭月様、鬼の旦那様がお酒が足りないと」

「「わかりました」」



仕事にもどってしまったふたりを見て、寂しくなる。



忙しいんだな、本当に…。



「俺と銀も厨房戻るけど、ナナ様はゆっくりしてて」

「あたしもなにか手伝いたい…。お料理ならできるよ⁉︎」

「それだけはダメ。ナナ様のキレイな手に傷でもつけたら大河様に怒られる。それに、俺も悲しくなる」



出たよ、天然タラシ金次。


< 462 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop