狐と嫁と溺愛と
顔を真っ赤にしたのは雫ちゃんだけど。



仕方なく部屋に戻り、暇を持て余す。



ラーメン食べに行こうと思ったけど、あたしのワガママで護衛をつけるとか言われると…。



忙しい今、そんな手間はかけさせちゃいけないね。



「大河さんに会いたい…」



抜けてこないかな?



そう思って縁側に座り、離れを見つめる。



「これはこれは狐の奥方」

「あなたは龍の…」

「竜美と」



龍之介くんのお兄さんだ…。



ペコっと頭を下げ、自己紹介をした。



「なぜこちらへ?」

「疲れたので休ませてもらおうかと。鬼のバカの話はつまらん」

「鬼さんはバカじゃないですよ。男気があってカッコいいと思います」

「あんなの怪力バカだ。狐はそれなりに頭はいいが、天狗なんて、鬼以下だな」



この人、やっぱり嫌い。



龍はみんな性格が悪いんだ‼︎



「奥方、なぜ狐の元へ?うちの愚弟でもよかったんじゃないか?」

「そんなの…教えませんよ」



酔ってるのかな?


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