狐と嫁と溺愛と
会議が始まった時より、ヘラヘラしてる気がする。



「逆に聞きますけど、なぜあなたは奥さんと結婚したんですか?」

「アレはただ位が高いヤツの娘だ。子どもさえ作れば、相手なんてどうでもいい」

「愛はないの?」

「愛なんてものは幻想に過ぎない。なぜ奥方が攫われて大河があんなに暴れたのかも、理解にかける」

「そうですか。それなら、龍之介くんの方が優しいんですね」

「アレはバカだろ?狐の姫に執着していた時は、頭がどうにかなってるのかと思った」

「その節はうちの…ジローがご迷惑をおかけしました。穏便に済ませていただけて、感謝しています」

「面倒は嫌いだ。大河も嫌いだ。いちばんは…大河の力が…君が好かないね」



そんなこと言われたって、どうしようもないじゃん。



あたしは大河さんのために存在してるんだもん。



「こんな場所やめて、こちらへ来ないか?」

「はい…?あなた奥さんいるでしょう?」

「あれはお飾りだと言っただろ。俺にしておけば、神に近い場所にいられるんだぞ」




これはどういうこと?


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