狐と嫁と溺愛と
久しぶりの椿さんに、いろいろ我慢して偉かったと褒められた。



「息子もお世話になって、ナナちゃんには頭が上がらないわ」

「そんなことないですよ。志鬼くんと遊ぶのも楽しいし。男友達って、今までいなかったから嬉しい」

「悪さしたら叱ってちょうだいね?」



椿さん、怒ってる時と喋り方が違う。



やっぱり、こっちの穏やかな椿さんが好きだな。



「何かあったら起こせ」



急にそう言ったのは大河さんで、すごく珍しく獣姿。



狐ちゃんになっちゃった⁉︎



あたしの膝の上に座り、丸くなって。



「「…………」」

「えっ?なにか?」

「大河…カワイイ…。長い付き合いの中で初めて見た…」

「そうなんですか?たまになるんですよ」

「貫禄ゼロだな‼︎俺でも勝てそうじゃん」

「ダメ。あたしが守る」

「「バカ夫婦…」」



龍は好きになれなかったけど、天狗のサエさんは好きになれた。



こうして付き合いが増えていくのかな?



これからは妖狐の当主夫人として、ちゃんと自覚しようと思う。


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