狐と嫁と溺愛と
朝ごはんをみんなで食べて、村上さんの送迎で学校へ。



初めに全校集会で、校長から羽目を外しすぎるなと釘を刺される。



それが終われば、みんな出店の準備‼︎



「志鬼くん、これ持ってくれる?」

「金次く〜ん、タコはどう切ればいいの〜⁉︎」



モテモテの妖怪ふたりは、女子に引っ張りだこ。



あたし、何すればいいんだ…。



「ナナ、女の子の着付けできるよね?」

「へっ⁉︎」

「浴衣の着付け、手伝ってよ」



春乃にそう言われたんだけど、あたし、着せてもらう専門で、自分で着たことない…。



それを春乃に言ったら、悲しい一言。



「役立たずが」



はい、ごめんなさい…。



だけど、最近は当主夫人として丁重に扱われてばっかりなので、今の春乃の言葉は『友だち』って感じがする。



ふふっ、春乃はいつまでも春乃だ。



「銀がやるよ。ナナちゃんは座ってて」

「それはイヤ‼︎あたしもなんかするっ‼︎」



やっともらったお仕事は、たこ焼きの粉を混ぜる作業。


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