狐と嫁と溺愛と
目がジワッとあったかくなり、大河さんの手が離れた時、目を開けると何が変わったのかわからない。



「白いのがフワフワ飛んでたりするんじゃないの?」

「それは霊的なもの。俺が見せてやるのは妖の存在だ。あまり騒ぐなよ?」



また手を引かれ、人の多い廊下へ出た。



ん⁉︎



あっ、あの子‼︎



「大河さんっ‼︎あの子…」

「あれは女郎蜘蛛。夢と同じだ」

「おぉ‼︎すごいね‼︎」

「くくっ…」



他にもいた。



頭の上に耳が見えたり、スリムな子が、実は太ってる妖だったり。



「あっ、ナナ‼︎えっ、大河さん…の弟?」

「春乃に耳生えてるっ‼︎」

「はぁ⁉︎隠してますけど⁉︎」



休憩に入った春乃に会ったら、頭に耳がみえる。



これが大河さんの見ている世界か…。



春乃には本物の大河さんだと言うと、妙に納得していた。



「おっ、華山、楽しんでるか〜?」



そう話しかけてしたのは社会科の教師。


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