狐と嫁と溺愛と
大河さんの言いたいことがわかった。



あたし、妊娠してる。



「嘘でしょ…?」

「俺の子…とか?マジで…くはっ‼︎テンション上がるっ‼︎こんなに早く身ごもるとか、相性いいんだな、俺たち」



動揺するあたしより、大河さんの喜び方の方がすごくて。



確定もしてないのにあたしまで嬉しくなる。



「妊娠してる?」

「してる」

「どうしてわかるの?」

「俺とお前以外の妖力が流れてくる。これ、絶対俺の近親。わかるんだ、不思議と」

「喜んで…いいの?」

「喜ばない意味がわからない。ナナ、よくやった‼︎」



抱きしめられ、嬉しさを分け合う。



大河さんの子が、あたしの中にいる…。



それだけで、なんだかすごく幸せだと感じる。



「お父さんに言わないと」

「まだいい。ぬか喜びさせるより、確定してからの方が」

「そうだね。産婦人科行ってみる。って、超不安っ‼︎」

「俺も行く」



おじいちゃん先生は専門外なため、大河さんの会社系列の総合病院を早速予約した。

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