狐と嫁と溺愛と
人魚…。



「あら、狐の当主様。いつもお世話になっております」

「世話になってるのはこちらだ。で、早い話、コレは俺の妻。まだ若いし、不安だらけの妊娠だ。よろしく頼む」

「頭を上げてください。なんとしてでも元気な赤ちゃんを取り上げてみせますよ」



大河さんが誰かに頭をさげるなんて珍しい。



診察するからと言われ、心配そうな顔で出て行った大河さんが、なんだかカワイイ。



「妊娠の可能性は高いですよ」



尿検査の結果でそう言われ、内診とやらをされる。



こんなの恥ずかしいだけで、早く終わって欲しい‼︎



見せられたモニターには、影っぽいもの。



「正直に言いますね」

「えっ⁉︎なんか悪いことでも…」

「奥様のお腹の中にいる赤ちゃん、3人です」

「はい…?」

「まぁ、狐ですし、不思議はないですけどね。だけど奥様は人間だし、少し不安だと思いますが…大丈夫、絶対、無事に産みましょう‼︎」



三つ子って、どういうこと⁉︎


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