狐と嫁と溺愛と
何も喋らないけど、どう思ってるのかな、この人…。



「ご、ごめん…」

「なんで謝る?双子なんか俺たちにしちゃあ珍しくもない」

「一気に3人も産まれるんだよ⁉︎育てる自信がない…」

「ひとりでやろうと思ってるのか?3人も産まれるなら、それなりに誰か雇うし、俺もちゃんと協力する。気にすることはない」



頭を撫でられたら、不思議と安心する。



産んでいいんだ…。



今から不安になってたってどうしようもないよね?



「春乃に報告しなきゃ」

「そうだな。まずはじいちゃんになるジローと俺の親たち、むしろ一族に報告しねぇと。安定期まで黙ってるって手段もあるけど、守ってもらうなら、早い方がいい」



家に帰ってから、高島さんや村上さん、夢さんや金次くんたちが集められ、妊娠の報告をした。



高島さんは涙ぐみ、村上さんは顔が緩い。



夢さんたちは気合い入れて掃除をしなきゃと張り切り、金次くんと秋銀ちゃんは離乳食の勉強をするために本を買いに行くと。


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