狐と嫁と溺愛と
春乃はあたしからすれば、頼りになるお姉ちゃんみたいな存在。



お父さん以外身寄りのないあたしには、すごく嬉しく、安心できる言葉。



春乃も就職やこらからの身の振り方に悩んでいて、あっちに行っても自分に何ができるんだろうと、ずっと考えてたみたい。



「大河さんに相談してみて?あたし、華山の屋敷に就職したいって」

「わかった。本当にありがとう、春乃」

「ムリしちゃダメだよ?大事な体なんだから」



本当にいい友達を持ったと、心から思った。



それから少し眠り、眼が覚めると夕方になっていた。



お昼ご飯食べなかったな…。



キッチンに顔を出すと金次くんがフライパンに火をつけていた。



「わぁ‼︎」

「今日はシェリル様のためにフォアグラだよ」

「あたしいらない…」

「何か食べないと怒るよ?何か食べられる?」

「気持ち悪くならないやつ…」

「冷たいパスタにでもしようか。トマトの」



金次くんって、絶対いい嫁になるよ…。


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