狐と嫁と溺愛と
リビングには大河さんとシェリルが書類を広げて仕事の話。



「起きたか」

「邪魔しちゃ悪いからどっか行っとくね」

「邪魔じゃない。グッスリ寝てたから起こさなかった。おいで」



吸い込まれるように大河さんの腕の中。



ここがいちばん安心できる場所…。



「溺愛だね、大河」

「俺の嫁は世界一カワイイから」



そう言って頭にチュッと。



もう…大好き…。



「お仕事してたんでしょう?」

「そうだな、そのためにシェリルが来日したわけだし」

「嫁探しじゃなかったの?」

「それも含め、シェリルの会社をこっちに出すって話を詰めてたとこ」

「なんの会社なの?」

「食品関係。輸入系のものは、ほとんどシェリルんとこと繋がってんだ」



よくわかんないや。



そんなの、あたしが知らなくてもいいことだろうし。



「僕、お腹すいた。春乃呼んでよ〜」



お腹すいたって、どういう意味だろう…。



血が欲しいとか、そういうやつ?


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