狐と嫁と溺愛と
何も言わずに抱きしめられ、お腹に手をやる大河さんに嬉しくなり、また夢の世界へ落ちる。



妊婦は眠いものだと聞いたことがあった。



目が覚めたらお昼で、大河さんもいないし、学校があるのに確実に寝坊。



パジャマ代わりのショートパンツとTシャツのまま一階へ降りたら、アヤメさんがいた。



「ケータイのアラームには気づかないし、誰も起こしてくれなかった…」

「お疲れだからでしょう。いい天気ですよ。お昼ご飯を召し上がったら、散歩でもどうです?」



学校、サボったんだけどね…。



今日は文化祭の片付けだって言ってたから、それはそれでいいかも。



重いものとか運んじゃいけないみたいだから。



みんなは学校へ行っていて、仕方なく食べたのは金次くんが用意して行ってくれたサンドウィッチと、秋銀ちゃんお手製のレモンシャーベット。



どっちも美味しくて、食べてから薬を飲んで。



庭でプールに足を突っ込む。


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