狐と嫁と溺愛と
とにかく、今のあたしは妖をおかしくさせてしまうみたい。



「家の中でも着けておきます…」

「そうしな。で、お風呂はどうする?」

「ひ、ひとりで入りますよっ‼︎お風呂から出たら、ちゃんとあの香水つけます…」

「痣の近くにすると、効果的だと思うから」

「わかりました…。あっ、村上さんは…どうなるんですか…?」

「ナナちゃんを危険な目に合わせたのは村上がちゃんと送迎しなかったから。責任はちゃんととらせるよ」

「あたしがお願いしたの…。村上さんは悪くないから…。怒らないでください…」



あたしのワガママのせいで村上さんがどうにかなったら、死んでも死に切れないです。



本当にそれだけはやめてくれとお願いして、大河さんの部屋にあるお風呂に入った。



高島さんが用意してくれたであろう、下着とバスローブ。



そんな高島さんも人間じゃないんだろうな…。



大河さんと同じキツネさんなのかな?



ん…?



あたしが預けられたって…。



力の強い一族に…?



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