狐と嫁と溺愛と
部屋に入った春乃は、とりあえずソファーに駆け寄る。



「ピンクのソファー、初めて見たっ」

「カワイイでしょ?初めはちょっと引いたけど、今はお気に入りなの」

「めっちゃカワイイじゃん‼︎フッカフカだし。テレビデカっ‼︎」



あんまりテレビは見ない。



このテーブルで宿題をして、食堂でご飯を食べて、大河さんが早く帰った日は共有スペースと言う名のリビングで話したり、お茶飲んだりしてるし。



「ベッドもピンク〜‼︎」

「カワイイでしょ?」

「ヤバいね、住みたい。超広くてマジでキレイ」

「お金持ちってすごいよね。部屋にシャワールームついてるんだよ」

「マジで⁉︎今度泊まりに来ていい?」

「お泊まり会したいね‼︎」



一通り部屋を見た春乃と、ソファーに座っておやつタイム。



これ、絶対シェフさんの手作りだ…。



「カワイイね、このケーキ」

「多分春乃が来るから作ってくれたんだと思う」

「マジで…?すごい気を使われてません?何才くらいの人なの?」



それが、会ったことないんだよね。



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