狐と嫁と溺愛と
村上さんにも、いっぱい感謝してる。



「高島さん、いつもありがとうございます」

「なんですか?急に…」

「高島さんがあたしのこと、すごく考えて、とっても優しくしてくれるから、だからあたしはこの家で笑ってられるんだと思います」

「ちょっと、やめてください…。私にはもったいない言葉で…」



その時だった。



ピョコっと高島さんの頭の上に耳が出た。



か、カワイイ…。



「高島さんの耳は黄色いんですね〜‼︎」

「へっ⁉︎や、ヤダっ‼︎興奮しすぎた…」

「カワイイ…。高島さん、カワイイ〜」

「もう、からかわないでくださいっ‼︎」



初めて見た高島さんの耳が嬉しくて、お父さんも一緒に食べたご飯がすごく美味しくて。



『美味しいごはんをごちそう様です。お菓子も、すごく美味しかったです。ありがとうございました。ナナ』



シェフに当てた手紙は、空になったお皿に貼り付けた。



あたしの気持ち、届くかな?



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