狐と嫁と溺愛と
今日はお互いに引きこもることにした。



今は絶好調なんだけど、またあんな風になるのが怖くて、大河さんのそばを離れたくない。



あたしを楽にしてくれるのは、きっと大河さんだけ。



「よし、どうだ?」

「尻尾が2本に減った」

「髪は?」

「髪も目もダメ」

「コントロールが難しい…」



あたしの力を取り込んだせいで、元の姿に戻れなくなった大河さんは、力のコントロールを練習中。



「ムリだ…」



そう言った大河さんは、どこかへ行ってしまった。



ここはリビング。



大河さんがあの姿になってから、高島さんも村上さんも、極力寄ってこない。



怖いのかなって、そんな感じがするけど。



「ナナ様、シェフからです」



大河さんがいない隙にやってきた高島さんが、プレートを運んできた。



そこに乗ってるのは、まさに芸術品。



ケーキや焼き菓子がキレイに盛り付けられてる。



「昨日のメッセージのお礼だそうです。それと、お見舞いと言っていました」



う、嬉しい…。



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