狐と嫁と溺愛と
熱いっ…。



グラグラする視界で、立ってられない。



しゃがみ込み、必死で耐える。



「大河さんっ…助けっ…」



イヤ、ちょっと待って。



あたし今、下着姿。



そんなこと言ってられる余裕なんてないくらいなんだけど、一応あたしだって年頃の女の子。



さっきテーブル置いてきたスマホさえあれば、高島さんを呼べるのにっ‼︎



だけど、部屋を出て歩いてテーブルまで。



ムリだ。



「ハァハァハァハァ…」



気持ち悪い…。



車に酔ったみたいに、気持ち悪い…。



頭もガンガンしてきた…。



パジャマっ…。



ダメだ、少し…意識を飛ばそう…。



それしか楽な方法が見つけられなくて。



目を閉じて、ひたすら我慢した。



「ナナ?おい、大丈夫か?」



フワッと浮く感覚で目覚めると、大河さんがあたしを抱き上げていた。



ちょっと待って…。



あたし、下着姿…。



< 81 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop