狐と嫁と溺愛と
そんなあたしを抱きかかえた大河さんが部屋のトイレまであたしを連れてきた。



「吐くなら吐けよ」



あなたの前で?



そんなこと絶対イヤだ‼︎



最低…最低っ‼︎



結局、耐えきれずに食べたものを全部吐いた。



それでも気持ち悪くて、なにも出ないのに苦しい…。



体も熱いし、めまいがさっきよりひどい。



今自分がどんな姿勢なのかもわからないくらいのめまい。



体に力が全く入らない。



気持ち悪い…。



もう…知らない…。



プツリと切れた意識。



また気を失ったんだと気付いたのは、次に目を開けた時だった。



ベッドの上だ…。



フワフワの尻尾に包まれてる…。



最近ではキスくらいじゃこの姿にならなくなったのに。



結局、あたしはこの最低男に助けられたみたいだ。



「えっ…」



し、下着姿のまま…。



どうして大河さん、服着てないの…?



あたし、なにしたの⁉︎



< 83 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop