ゲキジョ!
『では、第100回、国立演劇専門学校入学式を始めさせていただきます。』
う~わ~ぁ!
ついに、始まっちゃったよ!
どうしよ、どうしよ!
心臓うるさいよ…。
あああああ緊張するううう!
あたしの名前、“増田和葉”が呼ばれるのを待つ。
「増田和葉」
来たっ
「ひいっ!」
あ、これ終わったな。
周囲の視線がイタい。
もう誰もあたしを見ないで…
穴があったら入ってそこから一生出たくない。
いっそ引きこもりになってやるぅ!
半分涙目で、クラス全員の名前が呼び終わったのでみんなに会わせて椅子に座る。
あたしのクラスは1年N組。
14クラスある中の、最後のクラス。
これが、いかにあたしがギリギリで入ったかを証明している。
そうまでしてどうして入学したかったかというと、小学校2年まで遡ることになる。